ヒツジが先かシダ植物が先か問題を考える

みなさん大好き、シダ植物。

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これを漢字で書きますと、「羊歯植物」となるわけです。
たしかに、シダの葉は見た目がヒツジの歯のようです。
しかし、ここで疑問がわいてきます。
果たして先人は、シダ植物を見て「おう、これはヒツジの歯のようだわい」と思い「羊歯植物」と名付けたのでしょうか。
そうであるとすると、シダ植物よりもヒツジの歯の方がメジャーなものだということになります。
つまり「この珍しいマイナーな植物は、みんな知ってるヒツジの歯にそっくりだから、羊歯植物と名付けよう」というストーリーであるべきなはずです。
でも、どう考えたってシダ植物の方が一般性があり、ヒツジの歯の方がマイナーです。

もうひとつ、シダには「歯朶」という文字も当てられます。
「朶」は「枝などが垂れ下がる」という意味の言葉で、それからするとこの「歯朶」という表記の方が読みからいっても意味からいってもよりしっくりくるような気がします。
ちなみに「歯朶」というのは兵庫県あたりに多い姓で、また各地で地名としても用いられています。

では、シダ植物の漢字表記としてどちらを使うのが正しいのでしょうか。
レファレンス協同データベースによると、

羊の歯に似ていることから生まれた熟語ともいわれるが、異説もある。シダに漢字「歯朶」を当てることもある。
以下の資料を紹介。

『漢字ときあかし辞典』
⇒p608 「羊」の項目
『語源辞典 植物編』
⇒p116 「羊歯」の項目 ※羊歯は中国に出典があると記載あり。
『ひつじがすき』
⇒p90~91 ひつじの歯の説明や写真が掲載されている。
『シダを楽しむ』
『図説花と樹の事典』
⇒p213「シダ」の項目 ※和名由来・・・シダル(垂る)の転

シダ植物はなぜ「羊歯」という漢字なのか。 | レファレンス協同データベース

と解説されています。

ますますわかりません。
これは僕の勝手な想像ですが、もともと「歯朶植物」だったものを、いつか誰かさんが「これはヒツジの歯みたいだから羊歯植物と称そう」と、かなりのドヤ顔で宣言して、それが広まってしまったのではないでしょうか。
現代でもTwitterとかにいますよね、そういうタイプの人。

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