銭湯がない街

この4月に引っ越しをした。
5カ月が経ってようやく落ち着いてきた。ここが自分の家という感じがするようになった。

これまでは賃貸のマンションに住んでいて、気に入ってはいたのだが、子供を育てるにはちょっと街が濃いというか、建物の密集度も高く、人の量も多く、少しだけ息苦しい感じがあり、引っ越しを検討していた。

子供のためには多少なりとも自然があって、広々としているところがいいなと探していたところ、葛飾区の水元公園近くにいい場所があったので決めた。

このあたりは23区内でありながら畑もまだ多く残っており、我が家も畑を宅地に変更した上に建っている。
つまり、いまだ宅地化が途上の地域なのだ。

本文とは無関係なかつ煮

この水元地区が開発され始めたのは都内の他の住宅地と比べてかなり遅く、高度成長期後である。
なので、東京都内の住宅地と街の表情が違っている。

まず、銭湯がない。
東京の住宅街にはいまだ多くの銭湯が残っている。地方から引っ越してきてこれに驚く人は多い。
以前住んでた足立区のマンション周辺には、徒歩圏内だけでも5カ所ほど銭湯があった。
数年前に住んでいた品川区のマンションも、近くに2軒銭湯があった。
しかし、今の家の周辺には1軒もない。
街ができあがっていった高度成長期後にはすでに内風呂が一般的になっていたためだろう。
銭湯のニーズがなかったのだ。

そして、豆腐屋もない。
東京の住宅街にはたいてい数軒のお豆腐屋さんがあるものだが、これも高度成長期後には豆腐はスーパーマーケットで購入するものになっていたからだろう。

この2つは、なくなったというより元からなかった。
なので他の東京の住宅街とは違った雰囲気の街になっている。
風情という点ではすこしもの足りないが、それよりも自然の多さが気に入った。
日を重ねるごとに、いい街に越してきたなと感じている。

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