先日、こんど越してきた街について書いた。
この辺りは新しい住宅地なんだけど、一般的な新興住宅地とも様子が違っている。
開発に際して、大手デベロッパーが入っておらず、地元の農家が農地を少しずつ地元の業者に売り、それが宅地になるという流れをたどっている。
なので、新興住宅地特有の統一感がなく、街の雰囲気も辻々でまちまちだ。
また、開発の時期も数十年にわたっており、しかもそれが駅前からじわじわと……ではなく、ある種散発的に行われてきたので、モザイク状に新旧の家が並んでいて、散歩していて退屈しない。
そうだ。散歩していて退屈しないというのは大切なことだ。
いまこれを書きながら気づいたが、公園もあり、住宅地もあり、川沿いの堤防道路もあり、古い街並みもありと、ここは散歩ルートに事欠かないのだ。
だから気に入ったんだな。なるほど、なるほど。
ところで、この新しい住まいには小さな屋上がついている。
「屋上なんてそのうち飽きて使わなくなるよ」
などとも思ったが、実際住み始めてみると、毎日毎日屋上に出ているし、休日には雨が降らない限りここで夕飯を食べている。
思った以上に屋上を活用している。
屋上ではいくつか植物を育て始めた。
先日はバジルにオンブバッタが止まっていた。
おいしそうに葉を食べているところ気の毒だが、ここからは逃げてもらった。